「魔女の結婚」 コバルト文庫 谷瑞穂さん
久々のコバルト文庫でした。
一巻・最後の三巻以外は図書館で借りました。
古本屋さんを巡って、ゆっくり集めるつもり。
1500年の眠りから目覚めた巫女姫(フェゼルマ)、エレイン。
彼女を起こした黒魔術師、マティアス。
吟遊詩人(バード)のアートに、前世がエレインの○○な騎士・ミシェル。
貴族の息子、ステファン。
時空の狭間を行ったり来たり、中世ヨーロッパが舞台の作品です。
魔術師の証でもある「車輪」を巡る環。
キリスト教と魔女狩り、かすかに残るケルトの風。
宗教のいざこざや車輪を巡るところも面白いのですけれど、何よりわたしはエレインの心の動きがとっても楽しかったです。
「運命の人と結婚する」が夢・至上命題のような夢みる少女。
エレインは、いろんな男性が現れるたびに「運命の人かも!」と思うのですが、
そのうち「恋愛をしなきゃいけないんだ。・・・恋愛って、なんだ?」と思い出し、恋に、愛に、目覚めてゆく。
14冊かけてゆっくりと成長するエレインの姿に、最後らへんは「大人になっちゃったのね」と思うところもしばしばあったり・・・。
そして、エレインが、ほんとうに、すっごくかわいい!
「このクソッタレ!」とよく言うのですけれど、彼女が言うと凄くかわいい。
いつも一生懸命で直情型。体当たり。
子供がどうやってやってくるのか知らないエレインに、マティアスはからかって言うのです。
「おまえ、まさか子供はコウノトリが運んでくるとか思ってるんじゃないだろうな」(記憶曖昧)
「ば、バカにするな、それくらい知ってる!野うさぎの精霊が運んでくるんだ!」(記憶曖昧)
野ウサギの精霊・・・・!!
か、かわいい!
わたしに子供が出来たら、そう言って育てよう!と本気で思いました。
いやあ、可愛いなぁ(でれでれ)
神々がまだ身近だった時代。
今、神々を想うことが少なくなった時代。
風に、雨に、声に、せせらぎに、神々はきっと、息づいているのでしょう。